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運動で生活習慣病を予防しよう(高血圧編)

高血圧とは

安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいい、高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。
高血圧は脳卒中(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血など)、心臓病(冠動脈疾患,心肥大,心不全など)、腎臓病(腎硬化症など)および大血管疾患の強力な原因疾患でとなります。
*自覚症状が無いため、定期的なチェック(測定)が大切

血圧を上げる主な要因

・心拍出量
・抹消血管の抵抗
・血液の粘土
・大動脈の弾力

心拍出量

心拍出量とは1分間に心臓から送り出される血液の量で多いほど血管にかかる圧は強くなります。

末梢血管の抵抗

細い抹消血管に血液が流れる際に受ける抵抗が強いとスムーズに血液が流れにくくなるため血圧は上がります。

血液の粘土

血液は血漿と言われる液体部分(約55%)と赤血球などの固形部分(約45%)からなっていますがこの固形部分の割合が増えると血圧は上昇します。

大動脈の弾力

大動脈で動脈硬化が進むと、血管内壁の弾力性が低下し、血圧を上昇させます。
動脈硬化は肥満、食生活、運動不足、ストレスなどが主な原因で血管にコレステロールが溜まって血液の流れを悪くします。

正しい血圧測定の仕方

1静かで適当な室温の環境(冬季、暖房のない部屋での測定は血圧を上昇させる。)
2原則として背もたれつきの椅子に脚を組まず座って1-2分の安静後
3会話を交わさない環境
4測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取は行わない
5カフ位置を心臓の高さに維持できる環境

これらの条件から外れると血圧の測定値がかなり前後する可能性があります。

血圧の基準値

至適血圧  :循環器病を起こすリスクが一番低い血圧
収縮機高血圧:収縮期血圧が140mmHg以上、かつ拡張期血圧が90mmHg未満の状態。この状態は、血管の弾力性が低下している高齢者で多く確認されています。
高血圧の分類:Ⅰ〜Ⅲ度に分類されており、血圧の重症度が上がるほど循環器疾患による死亡率が高くなります。

目標血圧

・降圧目標は140/90mmHg未満75歳以上は150/90mmHg未満
・運動療法は降圧効果を示すだけでなく、高脂血症、糖尿病、肥満などの生活習慣病を予防することも目的とします。
・運動療法の対象者はⅡ度以下の血圧値で、心血管病のない高血圧患者でり、Ⅲ度を超える血圧のものは降圧後に運動療法を施行します。

運動療法

・最大酸素摂取量の50%を目安とし低、中強度の運動を中心とし、強度が高いと血圧を急激に上昇させるので注意が必要です。(ややきつい程度の運動)
・有酸素運動やダンベルなどを用いた低強度のトレーニングも降圧に効果的です。
・運動時間・頻度は、1日当たり30~60分とし週3回程度、 週の合計時間は140~180分を目安とします。

当ジムでの高血圧の方に対する運動療法

モビリティアプローチ(可動域向上)→呼吸アプローチ→エクササイズ→有酸素運動

・高血圧患者は運動不足もしくは運動習慣の無い方が多い傾向で柔軟性の低下などがあるためモビリティアプローチを行う。
・心臓は自律神経に支配を受けているので自律神経にアプローチできる呼吸エクササイズを行う。
・力みが生じない程度の負荷のエクササイズで、身体に負荷をかけます。
・有酸素運動で脂肪を燃焼し体重の減少や生活習慣病を予防します。

運動中の注意点

運動を中止にすべき症状

・胸の痛み、苦しみ ・息苦しさ ・吐き気 ・頭痛 ・目眩
・冷や汗 ・いつも以上の激しい疲労感 ・筋肉や関節の強い痛み
 
運動中に上記のような症状が出た場合にはすぐに運動を中止し安静にします。

まとめ

高血圧は脳卒中や心臓・腎臓病の原因疾患のため軽く見ず、病院の受診や運動療法を行い直ちに対処することが大切です。
運動療法ではややきつい程度のエクササイズから有酸素運動を行い、呼吸が止まってしまうほどの高強度の筋トレは血圧急上昇のリスクがあるため行ってはいけません。

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